稲船敬二
稲船敬二
【いなふねけいじ】
- カプコンのプロデューサー、という顔が今では有名だが、最初はイラストレーターとして入社している。
- INAFKINGの名前で、ファミコンソフト「ロックマン(1987年)」のキャラクターデザインを手掛けた。
- その後もロックマンシリーズには、いちキャラデザイナーから企画補佐、アドバイザー、プロデュース、エグゼクティブプロデューサーと
自身の立場を上げながらもすべてに関わっている。ある意味では、彼のクリエイターとしての真の「代表作」と言えよう。
- 一方でそのプロデューサーとしての手腕を買われたのか、「バイオハザード2」や「鬼武者」といった同社の看板、もしくは近い将来に看板と
なるであろう作品のプロデュースも任され、ユーザーの前にたびたびその姿やコメントを現した。
- その後も自らがかなりの力を入れたものと思われる「DEAD RISINGシリーズ」「LOST PLANETシリーズ」は当然のこととして、「バイオ4」や
「バイオ5」、「モンスターハンター3」といった、既にシリーズ作品として実績のある作品にもエグゼクティブプロデューサーとして彼の
名前がクレジットされている。これには一部ユーザーから「なんで稲船がしゃしゃり出てくるんだ、関係ないだろう」という声も上げられて
いるものの、この頃の稲船は実質カプコン開発のトップであり、すべてのタイトルを見ていたのも事実である。「手柄を横取り」という
見かたも理解はできるが、正しくはないだろう。
- 彼のデザイナー、クリエイター時代を知らない者ほどプロデューサー然としたそのさまを嫌い、アンチと化す傾向が強い。彼の売り上げや実績を
重視する発言や、コストを考えないクリエイターを批判するようなコメントから、クリエイターというよりは会社寄りの経営者として捉える
ユーザーも多い。
- 稲船自身も「言うべきことは言う」「批判を覚悟で言う」とのスタンスをとり、カプコンのみならずゲーム業界への想いから、あえてユーザーを
非難するようなコメントをブログなどで発信することで、ますますユーザーの反感を買ってしまうこともあった。
- 会社側の人間と思われがちな彼だが、あくまでユーザーにサービスを提供するとの姿勢から、会社や開発現場と衝突することもたびたびあった。
反対を押し切って「モンスターハンターフロンティア」を立ち上げ、「モンスターハンターポータブル3rd」の体験版配信も周囲の反対を退け
ゴーサインを出したものだという。
- ある時期からブログで意味深なコメントを出すようになったが、2010年10月29日、ダレット代表取締役社長およびその親会社であるカプコンの
執行取締役を辞任することを発表した。直前まで「もうカプコン辞めてくれ」と言っていたアンチたちまで呆気にとられた、まさに突然の
衝撃的な発表であった。
- カプコン退社の理由はいろいろあるのだろうが、本人が大きく掲げているのは、「クリエイターのサラリーマン化に問題がある。変えなければ
いけない。自分がその中にいてはいけない」ということ。そして、「カプコン開発の頂点に来てしまった自分にとって、ここにはもう階段が
ない。でもまだ昇り続けたい。だから外に出てリセットする」というもの。
- 当然、手掛けていた開発中の作品については完成前に抜けることとなってしまう。「無責任だ」と批判するユーザーもいるが、稲船自身は何らかの
新会社を興し、そこで引き続きそれらの作品を引き受ける準備があると打診したものの、カプコンから「必要ない」と突っぱねられたようだ。
- 結局、ユーザーから「会社の人間」と見られていた稲船自身も、辞めるとなればこの扱いである。カプコン上層部(経営陣)のシビアさには
背筋が凍る思いがする。ただし喧嘩別れではなく、稲船は今でもカプコンを愛し、最高の会社だとしている。一方で切り捨てられたという
側面もあり、「俺が今後カプコンと組んで何かをするということは、おそらくもうない」と述べている。稲船としては声がかかればもちろん
やりたいが、おそらくその声がかかことはないだろう、という趣旨である。これを彼は「片思い」に例えている。
- かつて稲船はカプコンを辞めていったクリエイターたちを、「カプコンから逃げていった人たちが成功なんてするわけない」と非難した。今度は
彼自身も同じ立場となった。もっとも本人にしてみれば「俺のは逃げじゃない」と言うだろうが、果たして成功するだろうか。
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- 最終更新:2010-11-01 22:31:12